慢性腎臓病(慢性腎不全)
慢性腎臓病とは
ひと目で分かること
腎臓(콩팥・신장)は、血液から老廃物と余分な水分をこし取り、尿として体の外に出す臓器です。
ソウル峨山病院(서울아산병원)は慢性腎不全を
「老廃物を取り除く腎機能が低下し、正常に回復することができない段階の疾患」 と説明しています。
ここで大切な言葉が 「正常に回復することができない」 です。
一度傷んだ腎臓は元に戻せません。
ですから治療の目標は、治すことではなく、悪化する速さを遅らせることです。
早く見つかるほど、守れるものが多くなります。
原因 — ほとんどが糖尿病と高血圧です
ソウル峨山病院が案内する成人の慢性腎不全の原因の順序です。
- 糖尿病 — 最近は 50%程度 を占めます
- 高血圧
- 糸球体腎炎
- 多発性嚢胞腎
糖尿病や高血圧がある方は、腎臓は すでに管理の対象 です。
後回しにできることではありません。
診断基準
ソウル峨山病院は、糸球体ろ過量が正常の60%以下の状態が3か月以上続くと
慢性腎不全と診断すると説明しています。
「糸球体ろ過量」は 腎臓がどれくらいうまくろ過できているかを示す点数 と考えてください。
英語の略語では eGFR または GFR と書きます。
この数字は 国の健康診断(국가건강검진)の結果票にすでに書かれていることが多いです。
見方は下の「自分の腎臓の状態を確認する」にまとめてあります。
このページは公式資料を要約した参考情報です。
診断と治療は必ず医療者にご相談ください。
出典: 서울아산병원 · 基準日 2026-07-29
症状がないため受診が遅れます
初期にはほとんど症状がありません
ソウル峨山病院は、慢性腎不全の初期について ほとんど無症状 と案内しています。
腎臓は機能がかなり落ちるまで、なかなか表に出しません。
そのため症状を感じて病院に行ったときには、すでにかなり進んでいることが多いです。
症状ではなく数字で見つけるべき病気です。
進行すると出てくる症状
ソウル峨山病院が案内する症状です。
下の症状は、たいてい すでにかなり進行したあと に現れます。
- むくみ — 顔や脚がむくみます
- 疲労、眠気 — さらに感覚・運動の障害、意識の障害
- かゆみ(掻痒症) — 理由もなく皮膚がかゆい状態が続きます
- 食欲の低下、吐き気、嘔吐
- 貧血、出血しやすい傾向
- 高血圧、動脈硬化症
- 肺水腫、胸水 — 息が切れます
こうしたサインは確認してみてください
- 尿の泡が多く、なかなか消えないとき — たんぱく尿の可能性があります。尿検査で確認します
- 夜、尿のために何度も目が覚めるとき
- 顔や脚のむくみが繰り返すとき
- 理由もなくかゆみが続くとき
これらの症状は、ほかの原因でも起こります。
ただ、糖尿病や高血圧がある方で 上の症状があるなら、先延ばしにしないでください。
症状がなくても毎年確認したほうがよい方
- 糖尿病 がある方
- 高血圧 がある方
- 家族に腎臓病の方がいる方
- 鎮痛剤やいろいろな薬を長く飲んでいる方
- 65歳以上
糖尿病の患者さんは 診断されたその時から毎年 腎臓の検査を受けることになっています。
ムロムロの [糖尿病] ページの「合併症の検査」の部分もあわせてご覧ください。
出典: 서울아산병원 · 基準日 2026-07-29
自分の腎臓の状態を確認する — 健診結果票の見方
国の健康診断(국가건강검진)を受けたなら、結果票にすでに答えがあります。
ほとんどの方はそのまま見過ごしますが、ここで腎臓病を数年早く見つけられます。
結果票で探す2つの欄
① 糸球体ろ過量(eGFR)
腎臓がどれくらいうまくろ過できているかを示す点数です。
「腎糸球体ろ過量(신사구체여과율)」「eGFR」「GFR」などと書かれています。
② 血清クレアチニン
腎臓がこし取るべき老廃物です。
この値が高いと、腎臓がうまくろ過できていないという意味 です。
ソウル峨山病院(서울아산병원)は、この検査を診断で 最も重要な検査 として案内しています。
ここに 尿検査のたんぱく尿 の項目もあわせて見るとよいです。
糸球体ろ過量の段階表
大韓腎臓学会(대한신장학회)の基準です。
| 段階 | 糸球体ろ過量 | 状態 |
|---|---|---|
| 1段階 | 90以上 | 腎機能は正常 |
| 2段階 | 60~90 | 腎機能が低下し始める |
| 3段階 | 30~59 | 腎機能がさらに低下 |
| 4段階 | 15~29 | 生命維持に必要な機能をかろうじて保つ |
| 5段階 | 15未満 | 透析や移植なしでは生命の維持が難しい |
60が分かれ目です
60未満が3か月以上続くと 慢性腎臓病とみなします。
- 60以上 — 糖尿病・高血圧がある方は毎年確認してください
- 60未満が出た — そのままにせず、受診してください。 1回の数値で確定はしませんが、確認が必要です
- 30未満 — 腎臓内科の受診が必要な段階 です
⚠️ 最もよくある間違い
「60なら半分だから、まだ大丈夫」と考えることです。
腎臓は 元に戻せません。 60で守るのと、
30まで下がってから始めるのとでは、結果がまったく違います。
結果票を持って行ってください
病院に行くときは 昨年、一昨年の結果票もあわせて 持って行ってください。
数字ひとつより 数年かけてどう変わってきたか のほうがずっと大事です。
健診の結果票をなくされた場合は
国民健康保険公団(국민건강보험공단)で過去の健診結果を確認できます。
出典: 대한신장학회 · 基準日 2026-07-29
どの診療科に行くのか
最初に行く場所
- 内科 — 健診で数値が引っかかったなら、近所の内科から始めても大丈夫です
- 腎臓内科 — 腎臓を専門に診る診療科です。看板に 「腎臓内科(신장내과)」 または「腎臓(신장)」と書かれている所を探してください
近所の医院に腎臓内科はまれです。
総合病院以上 にあることが多いです。
いつ腎臓内科に行くべきか
- 糸球体ろ過量が30未満 のとき
- 数値が 速く下がっているとき
- たんぱく尿 が続いて出るとき
- 糖尿病性腎臓病が進んでいるとき
- 原因が分からないとき
迷うときは、通っている 内科や糖尿病を診てもらっている病院で聞いてみてください。
「腎臓内科に行ったほうがよい状態ですか」と言えば判断してくれます。
いっしょに通うことになる診療科
- 内分泌内科 / 内科 — 糖尿病の管理(原因の1位です)
- 循環器内科 — 血圧の管理
- 血管外科 — 透析に備えて血管の通り道をつくる手術
- 移植外科 / 腎移植チーム — 腎移植を行う場合
通い続ける病院を選ぶ
慢性腎臓病は 一生通う病気 です。
ただし糖尿病・高血圧と違い、ある程度進むと 腎臓内科がある病院 が必要になります。
- 初期(1~2段階) — 通っていた内科で管理し、毎年確認
- 中期以降(3段階~) — 腎臓内科がある病院
- 透析が近づいたら — 透析室を備えた病院
上級総合病院の外来にかかる場合、診療依頼書(진료의뢰서) があってはじめて健康保険(건강보험)が適用されます。
近所の病院と大きな病院を、地図でいっしょに探すことができます。
出典: 健康保険審査評価院(HIRA) · 基準日 2026-07-29
どんな検査をするのか
ソウル峨山病院(서울아산병원)が案内する検査です。
基本の検査
- 血清クレアチニン — 最も重要な検査です。採血して老廃物の値を見ます
- 糸球体ろ過量(GFR) — クレアチニンの値と年齢・性別から計算します。正常の60%以下が3か月以上続くと 慢性腎不全と診断します
- 尿検査 — たんぱく尿、血尿があるかを見ます
追加の検査
- 超音波・CT — 腎臓の大きさと形を見ます。慢性的に悪くなった腎臓は小さくなっていることがあります
- 腎生検(組織検査) — 原因を正確に知る必要があるとき、腎臓の組織を採って確認します
検査の前に知っておくこと
- 糸球体ろ過量は 1回の値で確定しません。 時間をおいて何度も見ます
- 激しい運動、脱水、肉をたくさん食べたあとは値が変わることがあります
- 以前の検査記録を必ず持って行ってください。 変化の向きのほうが、数字ひとつより大事です
これから繰り返し見ることになる数字
通院を続けると、これらの値を繰り返し見ることになります。
記録しておくと、自分の状態を自分で把握できます。
- 糸球体ろ過量(eGFR)
- クレアチニン
- たんぱく尿(アルブミン尿)
- 血圧
- 血色素(貧血)
- カリウム、リン、カルシウム
出典: 서울아산병원 · 基準日 2026-07-29
治療はどうするのか
ソウル峨山病院(서울아산병원)は、慢性腎不全の治療を 4つの段階 に分けて説明しています。
1. 原因となる病気の治療
- 糖尿病 — 血糖のコントロール
- 高血圧 — 血圧のコントロール
- 糸球体腎炎など、ほかの原因疾患の治療
原因を抑えなければ、残りの治療は意味がありません。
糖尿病・高血圧の管理が、そのまま腎臓の治療です。
2. 腎機能が落ちる速さを遅らせる
ソウル峨山病院は 「低塩分・低たんぱくの食事が大切」 と案内しています。
塩分(塩)
「塩辛いものを食べると塩分が体にたまって、体のむくみがひどくなり、
呼吸困難まで現れることがあるので 絶対に避けなければ」なりません。
たんぱく質
適切な量 をとる必要があります。
とりすぎると嘔吐や全身の脱力が現れることがあります。
⚠️ 注意:たんぱく質をまったく断てという意味ではありません。
やみくもにとらないでいると栄養が足りなくなり、かえって悪くなります。
どれくらいとればよいかは、必ず栄養相談を受けてください。 大きな病院と保健所(보건소)で行っています。
カリウム
野菜は ゆでこぼして、果物は 少量だけ とるように案内しています。
3. 合併症の管理
貧血、栄養不足、骨の病気、高脂血症をあわせて治療します。
そして 腎機能を悪くする薬に気をつける必要があります。
ほかの病院に行くときは 「腎臓が悪いです」 と必ず伝えてください。
鎮痛剤、造影剤、一部の抗生物質は腎臓の負担になります。
4. 腎代替療法
これだけの治療をしても末期まで進むと、透析か腎移植 を行うことになります。
詳しい内容は次のセクションにあります。
どの治療をどう行うかは人によって違います。
担当の医療者と十分に相談してください。
出典: 서울아산병원 · 基準日 2026-07-29
透析と移植
まだ当てはまらない方も 前もって知っておくとよいです。
急に決めようとすると、気持ちも準備も足りなくなります。
いつ行うことになるのか
大韓腎臓学会(대한신장학회)の段階の案内によると
糸球体ろ過量15未満(5段階) は
透析や移植なしでは生命を維持しにくい 状態です。
ただし正確な開始時期は数値ひとつだけでは決めず、
症状と体の状態もあわせて見て、医療者が判断します。
2つの方法
血液透析
- ふつうは病院(透析室)に行って受けます
- 定期的に病院に通う必要があります
- 前もって腕に血管の通り道をつくる手術が必要です
腹膜透析
- おなかの中に管を入れて 自宅で 行う方法です
- 教育を受けて、自分で行うようになります
どちらがよいかは 生活のしかた、年齢、体の状態 によって違います。
仕事があるか、体を動かせるか、手伝ってくれる家族がいるかもあわせて見ます。
担当の医療者と相談して選べば大丈夫です。
腎移植
提供してくれる方が必要で、条件も合わなければなりません。
移植のあとは、拒絶反応を抑える薬を飲み続けることになります。
前もって準備しておくとよいこと
- 血管の通り道をつくる手術は前もって行います。 透析が急に必要になってからつくるのは大変です
- 腕に通り道をつくる側の腕では 採血・血圧測定をしないように 案内されます
- 病院の医療社会事業チーム(사회사업팀) に相談を申し込んでください。費用と支援制度をいっしょに探してくれます
- 仕事がある方は、透析の予定と勤務をどう合わせるか、前もって相談してください
透析を始めるということは 終わりではなく、別のやり方で生活を続けることです。
働いている方も多くいます。前もって知っておくと、ずっと怖くなくなります。
費用と制度
重症疾患の自己負担軽減制度(산정특례)
慢性腎不全で 透析を受けることになると、自己負担軽減制度 の対象になることがあります。
登録されると、関連する診療の自己負担率が大きく下がります。
適用の条件と期間が決まっていますので
病院の会計窓口(원무과)や 国民健康保険公団(국민건강보험공단)で確認してください。
透析を始めることになれば、病院から案内があります。
障害の登録
透析を一定の期間以上受けた場合や、腎移植を受けた場合は
腎臓障害として登録 することができます。
登録されると、いろいろな支援制度の対象になります。
基準と手続きは 住民センター(주민센터)や病院の医療社会事業チーム にお問い合わせください。
そのほか
- 所得の基準に応じた医療費の支援制度があります
- 透析は長く受けることになるので、自宅や職場から近い透析室 を選ぶことが現実には大切です
- 病院の医療社会事業チーム があれば、必ず相談を受けてください。制度をいっしょに探してくれます
栄養相談を必ず受けてください
慢性腎臓病は 食べるものがそのまま治療になる 病気です。
塩分、たんぱく質、カリウム、リンをどれくらいとればよいかは 段階ごとに違います。
インターネットの情報で自分だけで決めず、
病院や保健所の 栄養相談 を受けてください。健康保険(건강보험)が適用される場合があります。
制度と自己負担率は変わります。
以下の内容は基準日時点でまとめたものですので、必ず
国民健康保険公団で最新の基準を確認してください。
出典: 国民健康保険公団 · 基準日 2026-07-29
よくある質問
健診で糸球体ろ過量が55と出ました。深刻ですか?
確認が必要な数値です。そのままにしないでください。
大韓腎臓学会(대한신장학회)の基準では 60未満は3段階 に当たり、
ソウル峨山病院(서울아산병원)は 正常の60%以下が3か月以上続くと
慢性腎不全と診断すると案内しています。
ただし 1回の数値で確定はしません。
脱水、激しい運動、肉をたくさん食べたあとは変わることがあります。
次のようにしてください。
- 内科でもう一度検査を受けてください
- 昨年・一昨年の健診結果票もあわせて 持って行ってください。変化が大事です
- 糖尿病や高血圧があるなら、その管理から見直してください
⚠️ 「60なら半分だから、まだ大丈夫」が最もよくある間違いです。
腎臓は元に戻せません。
55で守るのと、30まで下がってから始めるのとでは、結果がまったく違います。
腎臓が悪いと、たんぱく質はまったく食べてはいけないのですか?
いいえ。断てという意味ではありません。
ソウル峨山病院(서울아산병원)は 「適切な量の摂取」 を案内しています。
とりすぎると嘔吐や全身の脱力が現れることがありますが、
逆にとらなさすぎると 栄養が足りなくなり、かえって悪くなります。
どれくらいとればよいかは、段階ごとに、人によって違います。
必ず 栄養相談 を受けてください。大きな病院と保健所(보건소)で行っています。
あわせて調整するもの
- 塩分 — ソウル峨山病院は「絶対に避けなければならない」と言うほど強調しています
- カリウム — 野菜はゆでこぼして、果物は少量だけ
インターネットや周りの話をもとに、自分だけで食事を決めないでください。
腎臓病は 食べるものがそのまま治療になる 病気なので、間違えるとすぐ悪くなります。
尿の泡がとても多いです。腎臓の問題でしょうか?
たんぱく尿の可能性があるので、確認してみる価値があります。
泡が多く、なかなか消えないなら
尿にたんぱく質が漏れ出ている可能性があります。
ただし水をあまり飲まなかったときや、尿の勢いが強いときにも泡は立ちます。
泡だけでは判断できません。
尿検査を1回受ければ確認できます。 簡単で、すぐ終わります。
近くの内科で「たんぱく尿を確認したいです」と言ってください。
特に 糖尿病や高血圧がある方で 泡立つ尿があるなら、先延ばしにしないでください。
透析を始めたら、一生続けなければならないのですか?
慢性腎臓病による透析は、たいてい続けることになります。
腎機能が戻らないからです。
ただし 腎移植を受ければ、透析から離れることができます。
透析は終わりではなく、別のやり方で生活を続けることです。
透析を受けながら仕事をしている方も多くいます。
- 血液透析 — 病院の透析室に定期的に通います
- 腹膜透析 — おなかに管を入れて 自宅で 行います
どちらがよいかは、生活のしかた、年齢、体の状態によって違います。
前もって準備しておくと、ずっと楽になります。
- 血管の通り道をつくる手術は、急を要する前に前もって行っておきます
- 自宅や職場から近い透析室を調べておいてください
- 病院の医療社会事業チームに相談を申し込んでください。支援制度をいっしょに探してくれます
腎臓によいという健康食品や韓方薬を飲んでもいいですか?
⚠️ 必ず担当の医療者に先に聞いてください。
腎臓が悪い方には、この問題が特に重要です。
腎臓は体に入ってきたものをこし取る臓器 であるため、
ほかの人には問題のないものでも、腎臓が弱い方には負担になります。
特に カリウムが多いもの(果物のジュース、野菜のジュース、一部の健康食品)は
腎臓が悪いときに体にたまり、危険なことがあります。
ソウル峨山病院(서울아산병원)も慢性腎不全の治療で
「腎機能を悪化させる薬への注意」 を合併症管理の項目として案内しています。
飲んでいるものがあれば、隠さずそのまま見せてください。
叱られるのが心配で言わない方が多いのですが、それが最も危険です。
ほかの病院に行くときも 「腎臓が悪いです」 と必ず伝えてください。
鎮痛剤、造影剤、一部の抗生物質も腎臓の負担になります。
このページの情報の出典
· 서울아산병원 (基準日 2026-07-29)· 대한신장학회 (基準日 2026-07-29)
· 건강보험심사평가원 (基準日 2026-07-29)
· 국민건강보험공단 (基準日 2026-07-29)
最終確認日:2026년 7월 29일
制度・費用の情報は変わることがあります。重要な決定の前には公式ページで最新の内容をご確認ください。