肝臓がん
肝臓がんとは
ひと目で分かる要点
肝臓がんは、肝臓にできる悪性腫瘍です。
肝臓がんには、ほかのがんと大きく違う点が一つあります。
多くはすでに肝臓が悪くなっている状態でできるということです。
国立がん情報センター(국가암정보센터)は、肝臓がんの患者の多くが慢性の肝疾患を伴うと説明しています。
そのため肝臓がんは、「誰がかかりやすいかをある程度知ることができるがん」です。
B型・C型肝炎がある方や、肝硬変がある方に主にできます。
この点が重要なのは、前もって知り、定期的に確認すれば早期に見つけられるという意味だからです。
国がこうした方々にだけ6か月ごとに検診を支援しているのも、ここに理由があります。
肝臓も一緒に見ます
肝臓がんの治療でもう一つ特徴的なのは、
がんだけを見るのではなく、残った肝臓がどれだけ働けるかを一緒に見るということです。
がんのかたまりは取り除けても、残った肝臓が耐えられなければ手術はできません。
同じ大きさのがんでも人によって治療方法が変わるのは、このためです。
このページは公式資料を要約した参考用の情報です。
診断と治療は、必ず医療者にご相談ください。
出典: 国立がん情報センター · 基準日 2026-07-29
こんな症状があれば病院へ
肝臓がんは、初期にはほとんど症状がありません。
肝臓はかなり傷んでも表に出ないため、「沈黙の臓器」と呼ばれます。
以下は、国立がん情報センター(국가암정보센터)が案内する肝臓がんの症状です。
多くは、ある程度進行した後に現れます。
- 腹部の痛み(右上の腹部)
- おなかの張り
- 体重の減少
- 疲れやすさ
- 黄疸 — 白目や皮膚が黄色くなる
症状を待っていては遅くなります。
肝臓がんは、症状ではなく「自分は高危険群か」で判断すべきがんです。
症状がなくても必ず検査を受けていただきたい方
国のがん検診(국가암검진)で定められた肝臓がんの発生高危険群です。
- 肝硬変がある方
- B型肝炎の抗原が陽性の方
- C型肝炎の抗体が陽性の方
- B型またはC型肝炎ウイルスによる慢性の肝疾患の患者
これに当てはまり、満40歳以上であれば、
6か月ごとに国のがん検診を受けることができます。
このうち最も多いのが、B型肝炎のキャリアです。
「キャリアなだけで痛くもないから大丈夫」と考える方が多いのですが、
まさにその方々が検診の対象です。
そのほかの危険因子
- 飲酒
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
お酒をまったく飲まなくても、肝臓がんにかかることがあります。
韓国では、B型・C型肝炎が主な原因です。
出典: 国立がん情報センター · 基準日 2026-07-29
何科に行けばよいか
最初に行く所
肝臓は消化器内科です。
大きい病院では「肝センター」や「消化器内科の肝分科」となっている場合が多いです。
B型・C型肝炎ですでに診療を受けている方は、
今通っているその病院で検診を続けていけば大丈夫です。
新たにどこかを探す必要はありません。
診断の後
肝臓がんは治療方法が多く、その分いくつもの科が分担して受け持ちます。
- 消化器内科 — 診断と全体の治療計画、抗がん・分子標的・免疫治療
- 肝胆膵外科/外科 — 肝臓を切り取る手術
- 放射線科 — 塞栓術(血管から薬を入れる治療)、ラジオ波焼灼療法
- 放射線腫瘍学科 — 放射線治療
- 移植外科 — 肝移植が必要な場合
「この治療は何科でするのですか」とお尋ねになれば、病院がつないでくれます。
大きい病院へ行くべきか
肝臓がんが確認されたり強く疑われたりすると、総合病院・上級総合病院へ行くことになります。
塞栓術や肝移植のように、装備と人員が必要な治療が多いからです。
上級総合病院は診療依頼書(진료의뢰서)がないと健康保険(건강보험)が適用されないため、
通っていた病院で依頼書をもらって行かれるとよいです。
このとき必ず用意していただきたいもの:
- CT・MRIの画像CDと読影レポート
- 肝炎の治療記録と、飲んでいる抗ウイルス薬の名前
- これまでの血液検査の結果(肝機能の数値やAFPの数値の変化が重要です)
近所の病院と大きい病院を、地図で一緒に探すことができます。
出典: 健康保険審査評価院(HIRA) · 基準日 2026-07-29
どんな検査をするか
検診の段階 — 6か月ごとです
国のがん検診(국가암검진)で、肝臓がんはほかのがんと条件がまったく違います。
- 対象 — 満40歳以上の男女のうち、肝臓がんの発生高危険群
- 周期 — 6か月(ほかのがんは1〜2年)
- 検査 — 肝臓超音波検査+血清アルファフェトプロテイン検査(AFP) を一緒に実施
ここでいう高危険群とは、
**肝硬変、B型肝炎抗原が陽性、C型肝炎抗体が陽性、
B型またはC型肝炎ウイルスによる慢性の肝疾患の患者**です。
なぜ6か月なのですか?
肝臓がんは大きくなる速さが速い方なので、1年に一度ではその間に大きくなることがあります。
短い周期は負担に感じられるでしょうが、早期に見つけられるほぼ唯一の方法です。
今年ご自身が対象かどうかは、国民健康保険公団(국민건강보험공단)でご確認ください。
診断の段階
- 腹部超音波 — 最初に行う画像検査です。
- AFP(アルファフェトプロテイン)血液検査 — 肝臓がんで上がることのある腫瘍マーカーです。
- CT・MRI — 腫瘍の大きさと位置、広がった範囲を確認します。肝臓がんは造影剤を入れ、時間によってどう見えるかが重要なので、何回かに分けて撮影します。
- 組織検査 — 必要な場合に組織を取って確認します。
AFPは肝臓がんでなくても上がることがあり、
逆に肝臓がんなのに正常な場合があります。
そのため、超音波・CT・MRIのような画像検査と合わせて判断します。
数字一つで怖がらず、担当の医療者の説明を聞いてください。
出典: 国立がん情報センター · 基準日 2026-07-29
治療はどのように行うか
肝臓がんは、治療方法がとりわけ多くあります。
がんの大きさ・数・位置とともに、残った肝臓の状態を見て決めます。
国立がん情報センター(국가암정보센터)は、次の治療を案内しています。
完治を目標とする治療
- 肝切除術 — がんのある肝臓の部分を切り取ります。完治を目標とするときの基本となる治療法です。
- 肝移植 — 理論的には最も理想的な治療法です。がんとともに、悪くなった肝臓まで入れ替えるからです。ただし、提供者と条件が合う必要があります。
- ラジオ波焼灼療法(RFA) — 針を入れ、熱でがんを焼いて取り除きます。最もよく使われる局所治療法です。
- マイクロ波焼灼療法(MWA)、凍結療法 — 似た原理の局所治療です。
病気の進行を遅らせる治療
- 肝動脈化学塞栓術(TACE) — 肝動脈に管を入れて抗がん剤を注入し、血管をふさぎます。抗がん効果とともに、血が通わないようにしてがんを死なせる方法です。
- 肝動脈放射線塞栓術(TARE) — 放射性同位元素の入ったごく小さな球を、血管から入れます。
- 体外からの放射線治療 — 技術が進歩し、適用の範囲が広がっています。
- 抗がん化学療法 — 最近は分子標的薬と免疫抗がん薬が中心です。
なぜ人によって違うのか
同じ大きさの肝臓がんでも、治療は変わります。
がん自体だけでなく、残った肝臓がどれだけ耐えられるかを一緒に見るからです。
肝臓がすでにかなり傷んでいる方は手術に耐えられないことがあるため、
体への負担が少ない塞栓術やラジオ波焼灼療法を先に選ぶこともあります。
「自分はなぜ手術をしてもらえないのか」ではなく、今の体に合う方法を選んでいるのです。
どの治療をどの順序で受けるかは、人によって異なります。
担当の医療者と十分に相談して決めてください。
出典: 国立がん情報センター · 基準日 2026-07-29
入院と治療はどうなるか
肝臓がんは治療方法ごとに過程が大きく違うため、代表的なものだけを整理します。
塞栓術(TACE)を受ける場合
- 脚の付け根の血管から細い管を入れ、肝動脈まで上げます。
- 抗がん剤を入れて血管をふさぎます。
- 処置の後、数日間は熱が出たり、おなかが痛くなったり、吐き気がしたりすることがあります。よくある反応で、病院で管理してくれます。
- 通常は数日入院します。一度で終わらず、何回かに分けて行う場合が多いです。
ラジオ波焼灼療法(RFA)を受ける場合
画像で位置を見ながら針を入れ、熱でがんを焼きます。
おなかを開かないので体への負担が少なく、入院期間も短い方です。
手術(肝切除術)を受ける場合
- 手術前の検査 — 血液検査、心電図とともに肝機能の検査を行います。肝臓を一部切り取っても残った肝臓が耐えられるかを確認する過程です。
- 手術
- 回復 — 肝臓は再生する臓器なので、残った肝臓がある程度大きくなります。回復の状態を見ながら食事を増やしていきます。
- 退院後 — 定期的にCTと血液検査を行い、再発がないかを見ます。
用意しておくとよいもの
- 診療依頼書(진료의뢰서)、身分証、健康保険証(건강보험증)
- CT・MRIの画像CDと読影レポート
- 肝炎の抗ウイルス薬の名前(治療中も飲み続ける必要がある場合が多いです)
- 飲んでいる薬の一覧(特に血をさらさらにする薬)
治療の後も続けていただくこと
肝臓がんは治療が終わっても、肝臓そのものはそのまま残っています。
そのため、再発を確認するための定期検査を続けて受ける必要があり、
肝炎の治療薬も自己判断でやめてはいけません。
入院期間と手順は、病院ごとに、治療方法ごとに異なります。
正確な内容は、治療を受ける病院で案内を受けてください。
費用と保険
重症疾患の自己負担軽減制度(산정특례)
肝臓がんと診断されると、自己負担軽減の特例(본인일부부담금 산정특례)を申請することができます。
登録されると、そのがんに関連する診療の自己負担率が大きく下がり、
定められた期間のあいだ適用されます。
申請は通常、診断書を発行した病院が代わりに行ってくれます。
ご自身で行う場合は、国民健康保険公団(국민건강보험공단)に登録申請書を出せば大丈夫です。
検診の費用
肝臓がんの検診(肝臓超音波+AFP)は、高危険群に当てはまれば
国のがん検診(국가암검진)として6か月ごとに受けることができます。
ご自身が対象か分からない場合は、通っている病院か
国民健康保険公団に「肝臓がん検診の対象か」とお尋ねください。
B型・C型肝炎で診療を受けた記録があれば、たいてい確認できます。
そのほか
- 所得の基準によって、がん患者医療費支援事業の対象になることがあります。
- 分子標的薬・免疫抗がん薬は、薬ごとに健康保険(건강보험)が適用される条件が異なります。担当の医療者に必ずご確認ください。
- 肝移植は、費用と手順が別に定められています。移植を相談されることになったら、病院の医療ソーシャルワーカー室(사회사업팀)の案内を受けてください。
制度と自己負担率は変わります。
以下の内容は基準日時点の整理であり、申請の前に必ず
国民健康保険公団で最新の基準をご確認ください。
出典: 国民健康保険公団 · 基準日 2026-07-29
よくある質問
B型肝炎のキャリアですが、どこも悪くありません。検診を必ず受けなければなりませんか?
はい。まさにそういう方が検診の対象です。
国のがん検診(국가암검진)の肝臓がん高危険群は、
**肝硬変、B型肝炎抗原が陽性、C型肝炎抗体が陽性、
B型またはC型肝炎ウイルスによる慢性の肝疾患の患者**です。
満40歳以上で、これに当てはまる方は、
6か月ごとに肝臓超音波と血液検査(AFP)を受けることができます。
「キャリアなだけで痛くもないから大丈夫」と見過ごす方が最も多いのですが、
肝臓がんは症状が現れたときには、すでに進行している場合が多くあります。
なぜ6か月ごとに受けるのですか? 頻繁すぎませんか?
肝臓がんが大きくなる速さが速い方だからです。
ほかのがん検診は1〜2年周期なのに、肝臓がんだけ6か月なのは、これが理由です。
1年に一度しか見なければ、その間に手をつけにくい大きさになることがあります。
わずらわしいでしょうが、早期に見つけて
完治を目標とする治療を受けられる、ほぼ唯一の方法です。
お酒をほとんど飲みませんが、肝臓がんにかかることがありますか?
はい、かかることがあります。
肝臓がんというとお酒を先に思い浮かべますが、
韓国で肝臓がんの主な原因はB型・C型肝炎です。
国立がん情報センター(국가암정보센터)も、この二つを主要な発生原因として案内しています。
飲酒と非アルコール性脂肪性肝疾患も危険因子ですが、
お酒を飲まなくても、肝炎があれば危険群です。
ご自身にB型・C型肝炎があるか分からない場合は、
近くの内科で血液検査によって確認してみてください。
なぜ私は手術をせずに塞栓術をするのですか?
肝臓がんの治療は、がんだけを見て決めるのではありません。
残った肝臓がどれだけ働けるかを一緒に見ます。
がんのかたまりを取り除けたとしても、肝臓がすでにかなり傷んだ状態であれば、
手術に耐えられないことがあります。
そのようなときは、体への負担が少ない塞栓術やラジオ波焼灼療法を選びます。
治療を少なくしているのではなく、今の体に合う方法を選んでいるのです。
気になる場合は担当の医療者に、
「自分の肝機能はどの程度なのか、後で手術が可能になることもあるのか」をお尋ねください。
組織検査をしていないのに肝臓がんだと言われました。確かなのですか?
肝臓がんは、CTやMRIに現れる姿が特徴的な場合があるため、
画像検査の所見と危険因子(肝炎・肝硬変)を合わせて見て診断する場合があります。
組織検査が必要かどうかは、担当の医療者が判断します。
不安であれば、「組織検査なしで診断した理由は何か」を直接お尋ねください。
説明を聞けば、ずっと気持ちが落ち着きます。
この部分は病院や状況によって異なることがありますので、
必ず担当の医療者の説明を基準にしてください。
このページの情報の出典
· 국가암정보센터 (基準日 2026-07-29)· 국가암정보센터 (基準日 2026-07-29)
· 건강보험심사평가원 (基準日 2026-07-29)
· 국민건강보험공단 (基準日 2026-07-29)
最終確認日:2026년 7월 29일
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